赤瀬川原平さん

数年前相模原市に行ったおり、初めて訪れる目的地を探しつつも目を奪われたのが足元のマンホール。
樹木の素敵なデザイン、思いがけずいいものに巡り合えたとうれしくなり、
訪問先でそのことを話題にしたところ「あら、マンホールの蓋なんて私は見たことありません。」と、喜ばれるどころかちょっと怪訝そうな反応。
なるほど、長年暮らしていても気にもとめられない、それがマンホールの宿命なのでありました。

ところがどっこい、考現学・路上観察学会においてはマンホールも立派に鑑賞対象なのでありました。
f0113535_1653285.jpg
赤瀬川さんをはじめとする路上観察学会が日常に潜むこうしたものたちの魅力に光を当てたのです。

私が初めて赤瀬川さんのエッセイを読んだのは、ダイナース会員誌に連載されていたエッセイです。
(後に光文社から出版『悩ましき買い物』)
カメラがどーだの、バッグのよさげなのを見つけたけどどうしようか、だの、きめ細やかな心の動きが綴られていて「なんかおもしろいオジサンだなー」と思いつつも毎月楽しみに読んでいました。
こんなにすごい方だとは露知らず。
でも今にして思うと「帆布のバッグを買った」というだけのことを面白く読ませるのはやはり只者ではないですね。

最近物忘れが増えてきた私、そろそろ老人力の本でも読んでみようか・・・。
そんな矢先の訃報。
さびしいです。せめて100歳までお元気でいろいろ発信していただきたかったです。

でも赤瀬川さんの撒いた種は芽吹き、ニラのようにたくましく根付いています。
『超芸術トマソン』の初版が1985年、このころ路上観察に目覚めた人々は今でも私のように日常生活で「む!!」というものをみつけては、一人静かに喜んだり、同好の士に報告したりと小さな幸せを育んでいることでしょう。
心から感謝の気持ちを伝えたいです。赤瀬川さん、ありがとう。
[PR]
by dekogarden | 2014-10-28 16:25 | □ 日々あれこれ
<< 太秋柿 クリスマスレッスンのご案内&数... >>